舞の海に「千秋楽で一番盛り上がったのは幕下の優勝決定戦」と言わしめた同部屋対決は誰もが釘付けになるガチ相撲だった(画像&解説アリ)


2015年九州場所は千秋楽の時点で1敗の日馬富士を白鵬と平幕の松鳳山が2敗で追いかける展開。しかしながら優勝の可能性を残した3力士が千秋楽に全員負けてしまい、盛り上がりに欠けたまま日馬富士が2年ぶりの優勝を決めました。

千秋楽の解説者は北の富士&舞の海がお決まり。だいたい二人の意見が全然合わずに舞の海がタジタジする展開なのですが、この日ばかりは「土俵の充実(※)が課題」という点で意見が一致していました。立ち合いの変化や、強く踏み込まない取り組みが多かったことへの苦言ですね。
※土俵の充実:勝ち負けに関わらず、見ごたえのある相撲であること。 

特に舞の海は「千秋楽で一番盛り上がったのは幕下の優勝決定戦だった」と皮肉たっぷりに幕内力士をdisりました。

逆にどんだけ幕下の優勝決定戦すごかったんだよ!と思うでしょう?いや本当に熱戦でした。簡単に解説をつけて紹介させてください。うお!っと声が出る一番でした。

同部屋対決「芝(しば) 対 宇良(うら)」

完全に芝浦ですね。



木瀬部屋の芝関と宇良関による優勝決定戦。相撲協会の決まりで、同じ部屋の力士は対決させてはいけないのですが、優勝決定戦だけはこの限りではありません。むかーし若乃花と貴乃花が対決していたのを覚えているかもしれませんが、あれも優勝決定戦だったために実現した激レアな一番だったのです。(ちなみに「兄弟対決」も優勝決定戦でないと実現しません)

しかもこの二人、同い年の23歳で、初土俵も芝が平成26年3月、宇良が平成27年3月と1年違い。当然、部屋でも同じちゃんこを食べ、同じ土俵で稽古をしているだけあって、イヤでもバチバチしてしまうライバルなのです。

肝心の取り組みの様子はこちら

 

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こっちが芝。150キロオーバーで幕下としては重量力士の部類に入ります。

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こっちが宇良。まだザンバラ頭です(髪が短くて髷が結えないオールバック状態)。
ちなみにこの宇良、有吉マツコの怒り新党で「新・三大 宇良和輝のマンガみたいな取り組み」として紹介されるほどのトリッキーな技の使い手です。

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立ち合い。宇良が得意の低いあたり。芝がどっしり受ける。

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力では部が悪い宇良は、芝の動きをいなしたり、腕をたぐったりして芝を土俵際に追い込んでいきます。

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が、押し切ることができない宇良は芝に押し返されてしまいます。ちなみに半身同士で様子を見合うこのレスリングのような体勢はちょっと珍しいです。レスリング出身の宇良と、それをよく理解している芝だからこそこの体勢になったのでは。

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宇良は反時計回りに身をかわしながら距離を取ろうとしますが、宇良の手の内を熟知している芝は体を密着させようとします。

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宇良の回りこみにしっかりついていった芝。ついに右上手をガッツリ引きます。この時点で体力で勝る芝が超優勢です。

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ザンバラ頭が乱れる宇良。宇良も右上手を引きたいところですが、この体勢では遠くて届かない。

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体勢が良い芝がここぞっとばかりに右上手を引きつけて強烈な寄り。万事休すか…!?
と、思いきや!宇良は寄られながらも右腕で芝の左足をすくいにいきます。芝としては両まわし引けていないこの状態で前に出ると、宇良に足をすくわれて逆襲を受けると思ったんでしょう。体勢を作り直します。ここで満員の場内から大声援。

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そこから再三、芝は寄りを仕掛けては宇良が粘る攻防が続きますが…この低い体勢からの寄りでついに宇良の腰が伸びます。

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激闘の末、ついに芝が寄り倒しで宇良を破りました。

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負けた宇良のこの晴れやかな表情がとっても印象深かった。

同部屋対決でライバル同士だからこその激闘でした。
マンガみたいなシチュエーションと、マンガみたいな攻防。僕が大好きな相撲マンガ「バチバチ」を彷彿とさせてくれました。相撲好きなら絶対ハマりますよ!




これからも、相撲に興味を持ってもらえるような取り組みや力士をガンガン紹介していきます。

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