三十路が1000人集まったMISOJIMATSURIに”無関心世代”と言われる三十路が熱狂したワケ


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アラサー界隈では話題になっていたMISOJIMATSURIに行ってきました。
チャラそうで怖かったんですが、一生に一度しかないチャンスだと思い一念発起して 参加しました。

MISOJIMATSURIホームページ
http://www.misoji-matsuri.com/

僕は基本的にこういったイベントが苦手なのですが、このMISOJIMATSURIだけはむちゃくちゃ楽しかったです。今までボンヤリと「同世代」について抱いていた少しハッキリして、何なら少し感動してしまいました。

詳しいレポートは誰かがすると思うので、「なぜ感動したのか」について簡潔に話そうと思います。

誤解しないでほしいのは、決して「俺らは黄金世代だ」とか「老害ファック!」とか「今時の若い連中は…」と言った、自慢とかdisをしたいってわけじゃないということ。

「同い年1000人で、同い年が企画したイベントに参加する」という激レアな体験を共有できればいいなと。

熱く静かな高揚

オープニングセレモニーでカメラを背負ったドローンが空中を舞う中、協賛品のビールをかかげて華やかに乾杯したのですが、その瞬間はとてもとても上品なものでした。

「カンパーイ!!」と1000人が声を上げボルテージが上がった直後、バカ騒ぎするでもなくすぐに平静を取り戻し周囲の人々との談笑に戻ったのです。

上品すぎると思ったのか、司会の人が「隣の人とも乾杯してくださいね!」と促すと、そこで初めて見知らぬ人たち同士が乾杯し、交流し始めます。参加者がおとなしすぎると言えばそれまでなんですけど、街中で見かけるいわゆる「ウェーイ!」な人種は限りなく少なかったです。

僕はこの瞬間に「今日は楽しめるかも…?」と心の中が熱くなりました。もし各世代ごちゃ混ぜのイベントだったら、乾杯した途端に乱痴気騒ぎを始める輩が出てきそう。

騒ぐ奴がいないってことは1985−1986生まれの行儀が良いんでしょうか?それとも「1000人全員同い年」という特殊な状況が、乱痴気騒ぎの抑止力になっているんでしょうか?真相は謎ですが、とにかく上品かつ静かな幕開けに興奮を覚えたのは間違いないです。

タンバリン芸人ゴンゾーが浮き彫りにした三十路のホスピタリティ

知る人ぞ知る三十路タンバリン芸人ゴンゾーがゲストとしてパフォーマンスしてくれました。
ゴンゾーを知らない人のために簡潔に説明すると、「仏頂面の太った東洋人が、目にも留まらぬ速さでタンバリンを打ち鳴らす」という芸をしている人です。むっちゃ面白いんで是非ググってみてください。

ゴンゾー見たさに1000人のオーディエンスがステージ前にドドっと押し寄せました。前方が人でごった返す中、前方の観客は誰に先導されるわけでもなく、後ろの人々が見やすいように自然と座り込んで行くじゃありませんか。圧巻です。

僕もこの流れにはびっくりしたのですが、びっくりしつつも「当たり前だよな」と納得する気持ちもありました。これは紛れもなく「みんな同い年」というグルーヴ感が生み出したホスピタリティの伝染です。1000人全員が特等席でゴンゾーを見れる環境を即座に作り上げちゃったんです。

思想が異なる人をリスペクトすること

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ゴンゾーの出番の後は、世界で活躍する三十路のパフォーマー6人が一夜限りのコラボユニットとしてステージを作り上げます。

名前はわからんのですが(ググれば出てくるかと)、津軽三味線とヒューマンビートボクサーの演奏に合わせ、ヨーヨー、ダンス(舞踊に近い)、バスケ、リフティングの第一人者が超絶パフォーマンスを披露してくれました。

身も蓋もない言い方をすると「超絶パフォーマンス」ってテレビとかネットで見れますよね。でも、この同い年の6人が今夜だけのために作り上げるステージだと思うと、感動が止まりませんでした。

正直、僕は「パフォーマンス」を見せられるのが苦手です。「パフォーマーさんと目が合ったら気まずい」「つまんなそうな顔をしてたらパフォーマーさんに失礼かも」といった、クソみたいな自意識があるんです。

でも、この6人のパフォーマンスはこれ以上なく僕の胸に刺さりました。なんでなんだろう?ドリフターズのヒゲダンスを見ても全く面白くないけどなあ。

パフォーマンスを見ていて終始感じていたのは「あるある」に近い共感の気持ちでした。津軽三味線とか、ダンスとか、全く関心のなかった分野からも「あるある」を感じるんです。パフォーマンスにも世代特有の感性が練りこまれているような感覚。

パフォーマンス終了後、ダンスを担当していた男性がちょっとしたスピーチをしました。だいたい以下のような内容だったかと。

「僕らは10代にサリン事件、阪神淡路大震災、9.11を経験した。そして人生に一番悩んでいた25歳の時に東日本大震災が起きた。『無関心世代』だと言われてきた僕たちだけど、震災をきっかけに自分がやれることからやろうと思ったよね。そして2015年には憲法9条が改正されて日本は戦争ができる国になった。今僕たちに何ができる?」

このスピーチを受けて、1000人の観客は拍手と歓声で応えたんです。僕にとってこれが一番のハイライトでした。

憲法9条の話とかむちゃくちゃデリケートな話だし、大勢の前でこの手の発言をすることに、ソーシャル世代の三十路は一瞬ギクっとしたと思うんです。

もしテレビでダンサーの彼がこの発言をしたら、2ちゃんでやり玉に挙げられて、ツイッターで鬼の首取られて、小遣い稼ぎのまとめ記事にされて、Facebookで冷ややかな上から目線コメントをされて…ってな感じで「いつものパターン」になると思うんです。

でもMISOJIMATSURIでは拍手と歓声が上がった。なぜか?

ひとつはMISOJIMATSURIがオープンなネット空間ではなく、有料制のクローズドな空間であること。有料コンテンツは炎上しにくいってのが世の常です。

もうひとつは思想の違う人の意見を受け入れて、尊重することができること。僕も若い時は友達と共感し合うだけの関係だったけど、歳を重ねていくうちに思想が違う人とも仲良くできるようになって世界が広がりました。

BADポイント「ムッツリ当て逃げ野郎」

僕もそうなんですが、1985-1986の三十路にはムッツリが多いです。本性を隠しながら女性に近づき、集団のワチャワチャに紛れてセクハラに走る人が散見されました。

具体的には言わないですが、参加者の友人数人から、当て逃げのような嫌がらせを受けたという声も聞きました。三十路の皆さん、スケベに走るならもっと快活に行きましょう。

ターゲットを絞りまくるイベントに行きたい

イベント業界では当たり前の話なのかもしれないですが、年齢とか性別でターゲットを絞れば絞るほど、参加者の経験は濃いものになります。

大昔にmxiの「関東在住1985年生まれコミュニティ」のオフ会に参加した時の感覚に近いグルーヴ感でした。

僕はネット広告の仕事をしていますが、単純にバナー広告を配信する価値と「20代女性」だけにバナー広告を配信する価値は全く違います。当たり前な話ですが、関心のない広告を見せられてもなんとも思わないですよね。

MISOJIMATSURIを通じて、改めて同年代へのリスペクトが深まったのはもちろん、ターゲットを絞りまくったイベントに今後積極的に参加してみたいなあ。と思った次第です。

すべての三十路に幸あれ!

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