キューバの「家の前に座るシステム」がすごかった!いや、むしろフツーすぎて鮮烈だった話


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GWを全部くっつけて10連休をいただきまして、キューバを旅してきました。
いっぺんに全部の感想は書けないので小出しにブログに書いていきます。

まずはキューバ人の国民性が面白かった話をしようかと。

首都ハバナの市街地は観光客でごった返していて、所狭しと路面店と屋台がひしめいているのだが、アジアの観光地で感じるようなネチネチムンムンした商売っ気を全面に出しているかというとそうでもなかった。ヘラヘラしながら「Good price〜」とか言ってるだけ。

しかしヘラヘラ具合とは反比例して接客は丁寧。シャツを試着して「君は腕が短いから裾をロールアップすると…ほら、かっこいいじゃない!」みたいな。売るための接客というよりも、そもそもがお人好しといった感じ。

また、キューバでは一大産業になっているタクシーの運転手さんは特にお人好しで、僕らの様子をうかがいながら冷房の強さや風向きを常に調整してくれたり、僕らにテンションを合わせて一緒に「ウェーーーイwwwww」って盛り上がってくれたり、目的地に到着してお金を支払った後でも快く写真を撮ってくれたりした。

ハバナ以外にもトリニダー、バラデロといった土地を訪れたけど、どこもノリは似たようなものだった気がする。

どんな背景でそういうお人好しマインドが浸透したんだろうか?もちろん、複数の人種が共存しているとかっていう歴史的な背景もあるのだが、彼らのライフスタイルにその秘密がある気がした。

気になったのは「家の前で座るシステム」。ハバナの市街地でも、ど田舎の掘っ建て小屋でも、家の前に日陰ができる構造になっていて、どの家庭も家の前に座ってただただ街を眺めている。日中はむちゃくちゃ暑くて働いている場合じゃないので、その間の暇つぶしのために取り入れられたシステムだと勝手に解釈している。

つまり、ご近所さんとも、家の前を往来する他人とも、常に顔が見えて何をしているか丸わかりな状態なのだ。SNSのタイムラインみたいだなと思った。ご近所さんというフレンドと、道端というフィード。そんなリアルSNSに四六時中ログインしっぱなしだからみんなコミュ力が高まって、お人好しマインドが醸造されるんじゃなかろうか。

facebookのような顔の見えるSNSって良くも悪くもお互いを監視しあっているから、醜い投稿は目につかず、外面のいい投稿ばかりが目につく文化が出来上がった。それと同じように「家の前に座るシステム」によってキューバ独自のお人好し文化が出来上がったのかなーなんて考えると味わい深い。

…ってか、それがフツーのソーシャルなコミュニティですよね。真っ先にSNSを引き合いに出してしまった自分が怖いわ。現代っ子かよ!

てなわけで、もちろん一度の訪問じゃあ理解しきれないだろうけど、渋谷育ち、渋谷勤務の僕には鮮烈に印象に残った思い出だったので、取り急ぎ言語化してみました。

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