地方に移住することは、「しないこと」と向き合うこと~宮崎・糸島・高知を旅してみて~
都会に住んでいると全てに満たされた”気”になっていました。地方で暮らすことを自分ごととして考えてみると、一番大切なのは「何をしないのか」であると痛感しました。僕が立ち寄った宮崎、糸島、高知で暮らすなら何を「しない」のか、自分なりに考えてみました。
10日間くらいかけて九州〜四国を巡っていました。
10日間くらいかけて九州〜四国を巡っていました。
僕は会社を辞めてから東京の住居も引き払ってしまったので、引越し先を探すという目的も含まれた旅でした。
主に寝泊まりした土地は
- 宮崎県日之影町(比叡山)
- 宮崎県宮崎市
- 福岡県糸島市
- 高知県嶺北地区
です。
都会に住んでいるとこれらの地域で住むことは単純に「田舎暮らし」とひとくくりに語られがちです。ただ、実際にその土地で数日だけでも衣食住を体験してみると、「田舎暮らし」と言っても本当に千差万別ありました。
土地土地の暮らしに触れるたび「自分に合う/合わない」を肌で感じるのですが、それは自分自身の「しなくてもいいこと(デメリット)」と向き合うことだなと強く思いました。
都会のデスクの上、ビルの谷間にいるだけでは決して浮かび上がらない気づきがあっただけでも有意義だったと言い切れます。
【宮崎】登れる!暖かい!
宮崎の日之影・比叡山はボルダリングの聖地と言われているだけあって登り心地の良さそうな岩がゴロゴロと密集していて、外岩経験の浅い僕が見てもパラダイスでした。
加えて、宮崎の温暖な気候は心まで穏やかにしてくれました。(夜はめっちゃ寒かったけど)
宮崎市内の雰囲気も良く、いわゆるチェーン店だらけの量産型市街地とは一線を画していて、独自の文化に好奇心がそそられます。
◆良いポイント
- ボルダリング天国
- 温暖な気候
- 市街地アリ
- 東京へのアクセス良し
◆向き合うデメリット
- 車はほぼ必須アイテム
- 九州以外へのアクセスが悪い
- 地元の求人は少なさそう
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【福岡・糸島】一拠点でも都会と田舎のデュアルライフ
糸島市全体が盛り上がっていて、ピンポイントではなく広範囲に様々なスタイルで移住・開業している人々の姿があります。
海も山もある田舎ライフが存分に楽しめるのに、直通で空港までアクセスできるので、糸島の一拠点だけでも都会と田舎のデュアルライフが期待できそうです。
◆良いポイント
- 日本全国(海外も)へアクセスが良い
- 車が必須じゃない(あった方が良さそうだけど)
- 開業・独立に明るい
- ボルダリングもそこそこ遊べる
◆向き合うデメリット
- 俗世間から隔絶された「本物のど田舎」ではない
【高知・嶺北地区・本山町】ベンチャー気質のガチ田舎
裏を返すと、集落によって全く特色が違うということ。自分にピタッと合う集落もあれば、辛いことだらけになりかねない集落もあります。
僕がお邪魔した嶺北地区本山町の大石という集落は住人の多くが移住者で、やはり干渉はしないけれども自分の意見をはっきりと伝えてくれる文化がありました。
集落全体がベンチャー企業というと大げさかもしれないですが、誠実な人であればチャレンジする人のことを後押ししてくれるような心強さが印象です。
◆良いポイント
- 山間部で隣近所までの距離が遠い、ガチのど田舎
- ベンチャー気質で人の雰囲気が良い(集落によって様々)
- 半農半Xを地で行く文化
- 土地・家賃は激安
◆向き合うデメリット
- 車必須(軽の四駆じゃないときついかも。できれば軽トラも必要)
- クライミング不毛の地(今後活発になるかも)
- ど田舎でも自走できる発想力・コミュ力・実行力が必須(これがないとヒマ死にします)
自分ルールでメリ・デメを洗い出す
かなりざっくりとまとめてしまいましたが、これはあくまで僕なりのメリ・デメです。
幸いなことに、いずれの地域も人の良さは最高でした。個性が立っていて旅人や移住者に思いやりを持った人たちにたくさん出会えた。
地方に住むということは、都会で当たり前だったことができなくなるということでもあります。
僕も旅をするまでちゃんと考えていませんでしたが、何をしないのか、何をしなくても平気なのか、に真剣に向き合った数日間でした。
都会にいるとなんでもできてる気になっていて、逆に便利さに溺れていた気がします。
もう一回カリスマニートphaさんの著書「しないことリスト」を熟読してみるかな…
しっかりと心の仕分けをしてから、今後の身の振り方を考えないとなあ。
オレの心に眠る蓮舫を呼び覚ますしかないな〜(雑なオチ