世界初の宇宙国家「アスガルディア(Asgardia)」の市民権を持つ3つの理由
知らない人にとっては「なに言ってんだコイツ…」ってなもんでしょうが、僕はこの度、アスガルディア(Asgardia)の市民となりました。ゲームの話じゃないです。現実の話。
というのも、先日こんなニュースを見かけました。
「初の宇宙国家」を自称し、地球全土から移民希望者を絶賛募集中の団体「アスガルディア」が、2016年後半に最初の”領土”とでもいうべき極小の人工衛星Asgardia-1を打ち上げると宣言しました。(中略)2016年10月からは地球からの移民希望者を募集しており、その希望者数は一時期40万人を超えるほどにまで膨れたものの、その後はどういうわけか10万人前後にまで減少、記事執筆時点では20万飛んで61人という数字がアスガルディアのウェブサイト上から確認できます。(中略)言うまでもなく、この衛星はあくまで仮想的な宇宙国家と国民のデータを宇宙に配置するのが目的。軌道上のサーバーとそのデータを独立国家だと宣言することで、そこに「宇宙国家アスガルディア」が成立すると思考する、哲学の実験のような話です。
「サーバとデータは国民の一部」という考え方はあまりにもSFチックな発想に聞こえますが、SNSやブログのデータって、もはや自分の一部とも言えます。今後はVRとかが普及して、人生の多くの時間を仮想空間で過ごす可能性は高いわけです。うーむ、ちょっと現実味のある話ですね。
記事執筆時点ではアスガルディア人は21万人チョイいるようです。一番多いのは中国からの参加者で3万人超。ついでトルコ、アメリカ、ブラジルと続きます。日本人は1224人ですね。まだまだ少ない!
SFの中の話で終わらせてもらいたくないので、僕なりにアスガルディアについて3つのポイントから解説&考察について書いてみます。
これからの世界にとって理想的なコンセプト
アスガルディアのサイトでは、プロジェクトリーダーであるイゴールさんが3つのコンセプトについて【哲学】【法】【科学・テクノロジー】の側面から語っています。
アスガルディアは地球人によって宇宙に作られる独立国家を目指します。生まれも育ちも関係なくみんながみんな「地球人」である、という考え方です。当たり前の考え方に思えますが、実現できている国は少ないのが現実です。
加えて、未来の国連加盟国である!とも誇らしげに宣言してますね。ホントに加盟したらゴイスー。
さらに、アスガルディアは「ノウアスフィア(Noosphere)」という概念を支持します。僕も詳しくは知らないんですが、ナレッジがデジタル化(クラウド化みたいなもんかな)して一箇所に蓄積していくことで人類か進化する、ということみたいです。
難しいですよね。乱暴に単純化すると「テクノロジーに寄り添った生活」を推奨するってことでしょうか。
アスガルディアは宇宙の資源を平等に分け合います。地球の歴史を振り返ると、争いのタネはいつでも資源の奪い合いでした。宇宙を開拓するにあたって同じ歴史を繰り返してはいけませんからね。
最初のアスガルディア人(つまり現時点でこのサイトのアカウントを持っている人)は正しい宇宙開発への貢献をする人になるだろう、とも書かれています。
アスガルディアの科学・テクノロジーの目標は宇宙の平和、保護、そしてアクセスを実現することです。
平和を実現する、については法にも書かれているように歴史を繰り返さないことだと思います。
保護については具体的に書かれています。太陽の嵐やフレア、宇宙ゴミ、隕石などの宇宙の脅威から地球を守ることを目指します。宇宙国家でありながら地球の保護を目標に掲げているのは面白いです。
そしてアクセス。人類は宇宙に飛び出して科学的なナレッジをためることはもはや不可避な未来ですよね。アスガルディアは宇宙のナレッジ収集を非武装で、そして誰しも平等に行うことを約束します。
こんな感じで、とってもイマドキな感じのコンセプトです。僕の友達や身近な同世代の人々がこのコンセプトに激しく批判するイメージはつかないなあ。親の世代はこのコンセプトについてどう思ってるのか聞いてみたいところです。
国籍を選べるのは画期的
日本では言論の自由や宗教の自由はありますが、国籍だけは選べません(帰化とか2重国籍とかあるけど)。でも、アスガルディアの国民になるかどうかはウェブサイトへの登録だけで済ませることができます。これって画期的ですよね。
僕が特に共感したのは「争いの歴史を繰り返さない」という部分です。最近、やっと世界史に興味を持って本や映画に手をつけていますが、争いのタネはことごとく資源の奪い合いです。
今では戦争も少なくなりましたが、どの国家も多かれ少なかれ歴史の遺恨を引きずっているのは否めません。
日本は政治も経済も停滞していて未来が明るい感じがしないですが、日本以外の先進国を見回してみるとどうでしょう。若い大統領が誕生したフランス、社会保障が充実した北欧諸国など、ポイントポイントで見れば素敵な国はありますが、ダントツで素敵な国ってなかなか見当たらないのが現状。
国家の理想を掲げるだけなら誰でもできますが、アスガルディアが本気でこれの実現に取り組むのならば、僕も国民として微力ながら支えたいと思います。
来たる未来への先行者利益として
こういうマスに理解されないプロジェクトこそ先行者利益があるものです。最近でいうと、個人で株式を発行できるサービスVALUが顕著な例ですよね。99%の人には理解されないですが、早く食いついた人々は1000万円単位で資金調達をしています。
僕の場合お金にはそれほど執着はないのですが、アスガルディアの先行者利益が「宇宙への切符」になるかもしれないと思うと夢がありませんか?
くだんのVALUはリリース当初の激しい値動きで巨額の資金を調達した人がいましたが、今では激しい値動きを制限するアップデートが行われました。先行者利益終了のお知らせです。
もし仮に「アスガルディアID*****までは特典として、宇宙への往復券をプレゼント!」ってなって、それに乗り遅れたら悲しくて悲しくてたまらないです。だから僕は様子見せずにアスガルディア人になったのです。もしこれがスパムサイトで個人情報抜かれまくってSNS乗っ取られたら僕のこと笑ってやってください。
一生懸命英語のサイト読んだけど俺TOEICスコア365点だから間違ってても言いっこなしでよろしく(雑なオチ