あなたがいる場所は「茹でガエル現象」になっていませんか?
少し前、東京で住んでた家を引き払う時におばあちゃんの家に荷物を置かせてもらってまして。
「家を引き払うから、おばあちゃんちに段ボール一箱だけ置かせて!」と言ってクソほどデカい段ボール送りつけたら、おばあちゃんにクソほど怒られたわ。 https://t.co/w5WVEa1MUZ
怒られながらも荷物を整理した後、機嫌を直したおばあちゃんが腕をふるって料理を作ってくれて、手羽先とナスを黒酢と紹興酒で煮てたんです。
鍋に火をかけて、そのままトイレに行ったおばあちゃん。その間、僕は黒酢のいい香りに包まれながらブログを書いていました。
すると、トイレから戻ったおばあちゃんが鼻をクンクンさせて「あ、焦げてる!」と慌てて台所の火を消したんです。
幸い、手羽先とナスは一命を取り留めており美味しく出来上がったんですが、おばあちゃんには「焦げた匂いがしてるんだから火を止めてよ」と怒られてしまいました。
言い訳をすると、僕は焦げた匂いに気づいていなかったんです。だんだんと焦げた匂いに変わっていくからわからなかった。一方のおばあちゃんはトイレから戻ってきたから焦げた匂いに気づけた。
僕はヘラヘラしながら「まさに茹でガエル現象だね」と言ってみたのですが、おばあちゃんは茹でガエル現象を知りませんでした。
およよ。確かに「茹でガエル」でググってみると
茹でガエル(ゆでガエル)、茹でガエル現象(ゆでガエルげんしょう)、茹でガエルの法則(ゆでガエルのほうそく)とは、ビジネス環境の変化に対応する事の重要性、困難性を指摘するために用いられる警句のひとつ。
『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』
およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、漸次的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られる。例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部など。Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B9%E3%81%A7%E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB
なるへそ。故事だと思ってたけどビジネス用語っぽいですね。おばあちゃんも知らないわけだ。
確かにビジネスの現場だと茹でガエル現象はそこかしこで起きてますよね。
ちょっと前にバズってたトイアンナさんの記事を思い出しました。
私は成長の意味を何も考えず、就職した人間でした。「どの会社でもエリートとして活躍できる人材」になれると信じていました。入社してすぐ、山のようなプロジェクトに回され、翻弄されながら「これが圧倒的成長につながる!」と信じました。土日も、盆も正月も働きました。でも大丈夫でした。周りもみんなそうだったから。でも私はきっと「圧倒的成長」をするのに足りた人間ではなかったのでしょう。魔がさして、転職エージェントにコンタクトしてしまったのです。そこで聞かされたのは「今でよかった。御社へ5年以上勤めていると、あまりに他社との適性がなくなるからお断りするんですよ」の言葉。私の成長は何のためだったのだろう?
ぐらっときました。社内政治が見えるようになりました。「誰に媚びれば会議がすんなり通るか」は知っていました。宴会芸もブラッシュアップされて、洗練かつゲスな技で笑わせられるようになっていました。土日に会議へ出るタイミングも完璧でした。でも、それは成長だったのか。成長とはもしかして「会社の文化と相性がよくなる」だけじゃないか。
「圧倒的成長」ができる会社で頑張ったら、転職できなくなっていた。
http://toianna.hatenablog.com/entry/2015/05/09/232106
夢中に仕事するのも良いけど、自分を見つめ直す機会を作ってみるのも大事ですね。
こっそり手羽先タッパーに詰めて昼飯にすればよかったなあ(雑なオチ